やりたいからやる。 銀行員だった僕がウェディング業界に変革を起こすべく起業し動き出すまで。

自己紹介。

はじめまして。酒井芳樹(yossypon)です。

福岡県出身の起業家です。

「マリケット」という結婚式を手づくりすることを可能にするシェアリングエコノミープラットフォームを運営しています。何十年間も変わっていない日本のブライダル業界を変えようと挑戦を始めたところです。

僕は起業家でよく聞くようなスーパーマンではありません。サラリーマン時代の「伝説の営業マン」とか「最年少◯◯達成」とか「実績歴代1位」とかそのような称号は何もないです。

それでも勇気を出して一歩前へ足を踏み出しています。

僕が起業するに至るまでの流れや、起業してみてのリアルを綴ったので、一歩踏み出すかどうか迷っている方々には参考になるかもしれません。参考になるように一生懸命書いたので「最後の一言」まで読んでいただけると嬉しいです。

起業しようと思ったきっかけ。

福岡県の高校を卒業し、京都の大学へ進学。

バックパッカーとして海外旅行にハマったことをきっかけに大学を1年間休学し、オーストラリアにワーキングホリデーを利用して行きました。知り合いもいなければ、語学力もお金もない中での1年間で、様々なチャレンジ、これまでは交わることのなかった様々な人と出会いを通じてビジネスや旅への興味を深めて帰国。

そして、ふたつのことを自分と約束しました。

●起業して自分で事業にチャレンジすること
●いつか結婚したら夫婦で世界一周旅行に行くこと

しかし、起業したいという想いはあったものの、漠然としたもので具体的にやりたいことはなかったので、新卒で就職をすることにしました。


(銀行員時代の同期と)

商社、人材業界などいくつかの業界で迷ったものの、「一番幅広く知識が得られそう」「中途では入社はできなさそう」との理由からメガバンクに入行することを決めました。

「会社は学校じゃねえんだよ」と真逆の「新卒で入る会社は学校」という気持ちです。笑

銀行に就職。

銀行に入って初めに配属されたのはまさかの鹿児島県。

東京で働くことを想像していたので、人事部長から配属通知書を手渡しされてすぐに「銀行 1年目 退職金」とググりました。堂々とそんなことをしたのは僕くらいだと思います。笑

鹿児島県に赴任して最初の仕事は、銀行窓口で口座を作ったり、住所変更の手続きをする仕事。はっきりいって退屈です。

さらにこの仕事が9ヶ月も続きます。

窓口業務を経験する期間は銀行の方針として完全に決まっていて抗議しようにもどうにもできませんでした。

周りを見渡せば同世代の友人たちは早くも仕事を任されて営業をしたり開発をしている。

それに比べて自分は何をしているのだろうかと焦りを感じていました。しかし、だからと言って仕事を辞めるほどの何かやりたいことというのはありませんでした。

2年目になって営業部に異動させてもらってからは、中小企業の社長に融資や経営の提案等をするようになりましたが、1年目は本当にただただくすぶっていました。

鹿児島で2年半営業をした後、東京 池袋の営業部に転勤。

鹿児島を離れる直前に現地で出会った女性と結婚し、現地で結婚式を挙げています。

メガバンクを退職。

池袋でも営業の担当。

1年間仕事をして辞表を提出しました。

妻とハネムーン世界一周旅行に行きたい、帰国してからは起業したいと伝えました。

池袋での営業は楽しかったのですが、辞める決断に至ったのには2つ理由があります。

ひとつめは、銀行での営業の仕事の基礎がある程度わかってきていたこと。

がっつりと営業をしていた期間は2年半程度でしたが、提案できる幅や内容はだいたい分かってきていました。自分の人生の目標が銀行内でのし上がっていくことではないので、銀行業務を極めるよりも次のことがしたいと思っていました。

ふたつめは、時間。

僕は現在27歳ですが少しでも早く挑戦することが一番のリスクヘッジになると思っていました。

若いうちの方が体力的にも精神的にも漲っているし、万が一失敗したとしても改めて就職活動をしてサラリーマンになる道だってある。どこかに逃げ道や帰る場所があると思えば大企業を辞めるリスクだって恐くなくなると考えたんです。

とは言うものの、僕はいたって普通の人間なので、退職の意思を会社に伝えるのにはとても勇気が要りました。


(夫婦で世界一周の旅へ)

ありがたいことに引き留めていただく中で、謎の迷いも生じストレスで指の先の皮がベロベロに剥けることもありました。仕事でどれだけ怒られてもこんなことはなかったので、それだけ精神的に張り詰めていたのだと思います。

引き留められる中で、上司に「辞めるということは逃げるということじゃないのか?」と言われましたが、メガバンクの名刺を失うわけで「攻めてしかいない!」と確信を持ち、一歩踏み出しました。

やっぱり最後に決断できたのは、起業にしても、夫婦での世界一周にしても絶対にするということを自分と約束をしていたから。

そして、リスクをとって進む世界がやっぱり楽しそうに見えたからです。

夫婦で世界一周の旅へ。

会社に退職の意向を伝えた時点では何の事業を始めるかは決まっていませんでした。

しかし「『いつか』起業しよう」「『いつか』夫婦で世界一周に行こう」では絶対に実現できないと分かっていたので、旅の中で事業のアイデアを見つけようと決めました。

お金のことよりも、大企業の看板を失うことよりも不安だったのは、「これがやりたい」と思える事業内容が何も思いつかないのでは?ということだったのを覚えています。


(ウユニ湖でウェディングフォト)

旅は半年間の予定でしたが5ヶ月間に短縮して帰国。帰国を早めたのは、何よりも早く事業が始めたかったから。

実は、旅に出る前に事業内容はある程度固まりました。やるしかないとなれば考えつくものなんだなあと実感。

大学は休学して1年遅れ、サラリーマンを3年半して、さらに半年間旅をして、少し遠回りしてしまった感はありますが、やっとスタートラインに立つことになりました。

ブライダル業界に乗り込む。

挑戦しようと決めた業界は、ブライダル業界。

僕を知っている人なら耳を疑う業界です。

驚く人も多かったのですが、それもそのはず。

先に鹿児島を離れる直前に結婚式を挙げたと書きましたが、僕の挙げた結婚式は山奥にある廃校になった小学校を舞台に完全DIYでつくりあげた、いわゆる「普通」の結婚式とは全く異なるものだったからです。


(山奥の廃校で挙式した)

僕と妻の結婚式に参加してくれたゲストは約100名。

参加してくれたゲストたちは結婚式の様子をそれぞれインスタグラムやフェイスブックに投稿してくれ、投稿に対して「自分もやりたい!」とか「こういう結婚式、憧れる!」というコメントが並んでいました。

しかし、僕が結婚式を挙げてから早くも2年半以上経ちましたが誰一人として僕らが行ったようなオリジナルの結婚式をあげる人はいません。

少し残念な気持ちもありますが、実際のところそれもそのはず。
結婚式とは謎の「こうするべき」「一般的にはこう」「普通はこう」という価値観でがんじがらめのものだからです。

普通に考えればおかしいような金額を「一生に一回のことだから」というキラーワードによってどんどん支払い最終的には全国平均で400万円もの金額をかけて1日をつくりあげるのです。さらにそこに他の選択肢は無いに等しく、結婚式を挙げない、もしくは挙げられないカップルが増えている。

僕はこの業界をフィールドに戦うことを決めました。


(よく仕事に選ぶのは南池袋公園)

誰もが結婚式を諦めないでいい世界にする。

「普通は」とか「こうするべき」じゃなくてみんなが本当にやりたいことを認められる社会にする。

加えて、余談ですがブライダル業界を選んだ理由はもうひとつあります。
それは、自分を「自分なりの」視点で見つめてみたことです。

僕は現在27歳。

周囲の同世代を見渡せばすでに活躍している起業家や、年下それも高校生の起業家だってたくさんいます。

フィンテックや新たなインターネットサービスの領域で活躍する彼ら彼女らは純粋にすごいなと感心していました。そして、感じていたのがまだまだ知名度も実力も無い自分が同じ領域に飛び込んでも何もインパクトのあることはできないのでは無いかということ。

その時に自分を見つめるとひとつ周りと違う点があることに気づいたんです。

「そういえば、俺だけすでに結婚してるな」と。

そのように気づくと周りの人はまだ経験できていない「結婚」をすでに経験できている自分に価値があるのではと思えました。

僕も妻もブライダル業界を経験したことは無いですが、業界の話はネット上にも転がっているし人づてに聞くこともできる。業界未経験で目が曇っていないからこそ思いつくアイデアがあると思いました。

実際に起業し事業を立ち上げ。

会社を辞めて、旅を終えて、事業内容も決まりました。

詳しくは後述しますが、ブライダル業界の中で、シェアリングエコノミーの仕組みを使って誰もが手づくりの結婚式をつくりあげることのできるサービスを作ることにしました。

twitterやインタビュー記事で有名インフルエンサーがよく言いますが、アイデアに価値はありません。思いついたことを「やるかやらないか」、そして実現するまでやり遂げる「覚悟があるかないか」だと思います。

例外はありません。やるだけです。

これまで想いを書いてきましたが、実は僕は全くプログラミングができません。コードが読めないし書けません。サラリーマン時代に勉強しておけば良かったと後悔しています…

なので、現状の僕のサービスは外注して基盤を作ってもらっています。
(株式会社mekumaのシェアリングエコノミー ・プラットフォームを利用)

まずはこのプラットフォーム上でニーズの実感を掴み、資金調達・投入をしてシステムの開発をしたいです。

起業し実際にどこで事業を始めるか。

さあ実際にどこに住んで事業を始めよう?と考えた時に、やっぱり真っ先に頭に浮かんだのは東京でした。

すごく良いサービスを作れたとしても、まずは実際にユーザーに会わなければ使ってもらうことはできないと考えていたので、少しでも多くの人に会いたいと思うと東京に住むという選択になったのです。

世界一周の旅から帰国して一時的に福岡にある僕の実家にいた僕と妻。東京に出てきて家を探すべく不動産屋を回りましたが、早くも現実を見せられたのが、起業家というのは世間から見れば無職であるということでした。無職だと大家さんNGで部屋を借りれないケースは多々あります。

それでも提案してもらえるいくつかの物件を見ましたが、アクセスが悪かったり手数料等が高かったりと自分の条件に見合うものはなく全てお断りしました。

最終的に決めたのはシェアハウス。


(シェアハウスから起業家キャリアをスタート)

夫婦で入居できるところは多くないですが、立地の良い場所に部屋を見つけることができました。

なんと、現在住んでいるのは夫婦で3畳というせまい部屋。

シェアハウスには共有スペースもあるので暮らしてみれば意外と快適なのですが、銀行員時代は3LDKの社宅に住んでいたのですごい差です。

しかし、このことも人生の中ではネタになるなと思えば問題はありません。


(デスクワークは共用スペースでも)

事業資金。

事業開始当初のお金に関して気になる方も多いと思います。

僕は、貯金をもとに事業を始めています。幸いなことにサラリーマン時代は手厚い福利厚生があり毎月それなりの金額を貯蓄に回すことができました。

僕の場合は、入社する前から時期は未定だったものの起業を意識していたので、付き合いでかかるお金は極力減らしていました。業後の飲み会はあまり行かないし、参加するときも二次会には行かない。ゴルフもどうしてもというとき以外は行かず、ゴルフクラブのセットもメルカリで買った中古の2,000円のものを使っていました。

やると決めたことは譲れないので、夫婦で世界一周旅行には行ったものの、妻と一緒に節約することでお金を貯めました。ちなみに多くの人が貯金を使い果たす原因のひとつである結婚式は、完全オリジナルの手づくりで挙げたので手出しは全くありませんでした。

起業するときの資金調達に関しては、金融機関で借入をしようと考える人も多いと思いますが、個人的には毎月の売上の目処が立っていなければ借入は選ばない方が良いと思います。

もちろん借りたお金は返す必要があります。いつ売上が立つかも分からないのに毎月返済しないとならないプレッシャーは相当なものです。

早く自分の事業で売上が立つ状況に持っていき、事業の成長を加速させる目的で資金を調達したいと考えています。

見切り発車でサービスリリース。

東京での拠点も決まり、基盤を作ってもらっていたサービスを自分でカスタマイズする作業もひと段落着いた段階で、ベータ版としてサービスをリリースしました。

恥ずかしながらロゴも決まってなければ、デザインも機能も中途半端。

だけど、それはわかった上でベータ版リリースしました。

期待していた通り、サービスを一旦出してみると、様々な意見をいただきました。

「わかりにくい」「すごいね」「デザインがいまいち」「ここはこうした方がいいと思う」などなど。

当然中途半端なものを世に出すことにはデメリットもあることは承知していますが、僕のようにまだ仲間も見つけられていないような人は、様々な人に意見をもらってひとつひとつの意見に真摯に向き合うことで、少しづつ育ててもらう方がスピードが格段に速いのではないかと思います。

サービスを成り立たせるということ。

僕が運営する「マリケット」は、「ゆるい結婚式、やってみない?」をキャッチコピーに、従来的な結婚式場の完璧な結婚式に疑問を持った人たちが、完璧ではなくても自分たちらしい結婚式を手づくりできるようにするサービスです。


(「マリケット」のメインイメージ)

具体的には、結婚式をつくりたいカップルと、「カメラが上手い」「司会者ができる」「エステができる」などスキルを持った人をマッチングするサービスです。会場とする場所も探したり、探すことを僕らに依頼したりすることができます。(※「マリケット」サイトは現在リニューアルのため一時的にクローズ中。8月よりウェディング用品特化のフリマサイト「マリマ」をオープン)

これまでは結婚式場に一括でお金を支払い、そのお金が渡る先は不透明でした。

しかし、マリケットでは顔の見える相手に納得した金額を支払い、結婚式が終わった後もつながることができる。そして、例えばカメラマンなら結婚式の写真を依頼して良い写真を撮ってもらえれば、子どもができた際にもまたお願いするなどの輪をつくれるようにしたいのです。


(結婚式をつくりたいカップルと、カメラや司会などスキルを持った人をマッチングする)

また、これまでは「このようにするべき」という価値観に縛られて、予算が足りなかったり、半年間以上かかる準備期間中に子どもができておめでたいはずなのに泣く泣く結婚式を諦める人もいます。

マリケットでは、小規模であってもその人たちなりの結婚式ができるようにしたいです。それが、僕らにとっての「ゆるい結婚式」です。


(「マリケット」の仕組み)

しかし、現実は甘くなくて、サービスを広めることにはとても苦戦しています。掲載無料だからといって人が登録してくれることは決してなくて、そこにはちゃんとしたメリットや安心して使うことのできる場が必要です。

SNSでフォロワーを集める必要もあるし、ブログで考えを発信していくことも必要だし、サービス自体を改善していくことも当然しなければならないと、やらなければならないことはいくらでもあります。

マリケットは、「結婚式をつくりたいカップル」と「スキルを出品してくれる人」の双方がいて初めて成り立つサービスなので、サービス自体を成り立たせることの難しさを痛感しています。

起業してみて思うこと。

実際に起業してみると、想像していた通りなのですが大変です。

事務作業も多いし、楽しい仕事だけではなくなります。休みもないし寝てるときもどうすればユーザーが増えるのか自問自答し続けています。

絶対に自分ならできるという自己肯定感はある一方で、もっと頑張れたはずなのにと自分を責める自己否定のような気持ちが常に入り混じっています。

また、マリケットはまだ収益を生むサービスではないので、現在無収入です。

決して贅沢はしていないのに貯金は日に日に減っていきます。

やっぱり起業するってリスクです。

どんなに大きなミスをしても最悪クビになるだけで済むサラリーマン時代にもっと挑戦しておけばよかったなと思うこともあります。

ただ、銀行員時代に営業として毎日社長に会いにいく中で感じていたことがあります。

❁ 実例をご紹介 ❁ . 廃校になった小学校を利用して行った結婚式^^ . 企画から準備、片付けまでセルフプロデュースしたため、式場ルールや持込料、よく分からない常識などに縛られることなく、自分達らしさ溢れる式に出来たそう。 . 「式をつくりあげる」過程も楽しめるのが 手づくりの醍醐味ですね! . 𓇠 𓇠 𓇠 𓇠 𓇠 𓇠 𓇠 𓇠 𓇠 𓇠 𓇠 𓇠 𓅪 . \結婚式×素人/ マリケットは手づくりの結婚式を応援します\( ¨̮ )/ . 【マリケットって?】 「自由な結婚式を挙げたいカップル」と「個人のスキル」をつなぐ、日本初のシェアリングエコノミー❁ฺ . . #ゆる婚#手づくり結婚式#手作り結婚式#結婚式手作り#セルフプロデュースウェディング#セルフプランナー#セルフプランニング#結婚式#プレ花嫁#全国のプレ花嫁さんと繋がりたい#2018夏婚#2018秋婚#2018冬婚#2019春婚#2019夏婚#オリジナルウェディング#マリケット#wedding#アウトドアウェディング#キャンプウェディング#ナチュラルウェディング#廃校ウェディング#学校ウェディング#野外ウェディング#結婚しました#森の結婚式

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それは「社長も普通の人間」だということです。

別に超人的な人ばかりではありません。成功している苦労しているに関わらず普通のおっさん・おばちゃんがたくさんいます。

ひとつだけ違うのは、どこかで「自分でリスクをとったのかどうか」という点。

この1点に尽きると思います。

お世話になっていた社長に言われた言葉があります。

「サラリーマンも当然みんな頑張っているけれど、やっているのはサバゲー。タマに当たれば痛いけど死ぬことはない。経営者になったら実弾の戦い。撃たれたらそこで終わりだけど、得られるもののスケールが違う。」

マリケットをどう広めていくか。成立させるか。成功への道筋はまだ見えていません。

それでもワクワクしています。

やらなかった後悔とか考えられない。やりたかったらやる。

それだけです。

Yoshiki Sakai

Yoshiki Sakai

1990年生まれ。マリケット代表。結婚歴2年半。ハネムーンは半年間の世界一周バックパック旅行。常識に縛られ完璧さを追求する結婚式に疑問を感じ、式をつくりあげる過程にこそ価値があるのではないかと考え、メガバンクを退職しマリケット創業。未来につながる結婚式「結婚式3.0」の考えを提唱する。ブログは『ゆる婚って、いいね』

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