未経験エンジニア職でフリーランスになった私の、リアルな最初の3ヵ月。
私(mihoksuzuk)は現在、フリーランスでフロントエンジニアをしています。
まだまだ課題だらけの毎日ですが、独立して一番不安だった頃を振り返ると、やっぱり始めたばかりの時期を思い出します。
独立前には、
「起業家やフリーランスってなんかすごい人がなるんでしょ?」
という感覚で、でもいざスタートしてみると最初は誰もが同じような泥臭い時期を過ごしていたんじゃないかと感じるようになりました。
私の場合は、エンジニアとしての会社経験はゼロで、営業として働いていた異業種の会社を退職後、本当に未経験の状態で勉強を開始(IT留学のアクトハウスへ留学)し、少し実務経験を積んでそのまま独立しました。
なので、きちんとその分野の会社で実績を積まれた方に比べれば、泥臭さは一層濃いかもしれません。
前回は、新卒2年目の私が、フリーランスを選んだ5つの理由について書かせていただきましたが、今回は、フリーランスになったばかりの「最初の約3ヶ月間」に感じていたこと、行動していたことをリアルに書いてみたいと思います。
リアルな初めの3ヵ月間(中の私と、外の私)
中の私:不安だらけの毎日
はじめの頃は、不安だらけで自信もなく堂々とフリーランスと名乗ることもできず「フリーで仕事はじめたの?」と聞かれると、「今はフリーランスの準備期間なんです」のような言い方をしていました。(自分でもよく意味がわかりません(笑))
やっぱりはじめは就職した方がいいかな…なんてこともよく考えていました。
実際に色々な方とお会いする中で「え?フリーランス?大丈夫なの?」と、本気で心配してくれる人もいれば、「おいおい大丈夫かよ」と直接言わずとも、目が語っている人もいました。はっきり言って当然の感想だと思います。
なにせまだまだ20代半ばで、実績不足なのです。
外の私:実際にやった「6つ」のこと
そんな不安と戦うために、とにかく最初はできるだけ動き回るようにしました。
以下、実際にはじめたばかりの頃に行っていたことです。実務的な必須項目もあれば、実績不足だったからこそやらなくてはならなかったこともあります。
(コワーキングスペースも仕事場)
①人脈づくり・挨拶まわり
まずは何よりもはじめに、留学中にご紹介いただいた方や、お世話になった方、純粋に興味を持って会いたいと言ってくださる方に会いに行きました。そもそもこうした人脈がなければ、フリーの決断はできなかったと思います。
未経験であることは大きな弱みでしたが、留学で得た繋がりがあることが私にとって一番の強みでした。IT留学アクトハウスを運営する株式会社カグラのホームページ制作部門「カグラ制作部」との繋がりです。
ただ、私と同じように未経験からのスタートですと、「なかなかそんな人脈ないよ…」という方も多いかもしれません。
でも事業に直接的に関係のある人脈でなくとも、周りにいる会社の人や、友人、家族などにとりあえず話してみたり、SNSで宣言してみたりするだけで、意外とそこから事業のヒントをくれる人や、実は同じようなことをやっている人、仕事依頼をしたいと言ってくれる人など、様々な繋がりが生まれました。
私がこの3ヶ月の間に、最初に仕事をいただけたのもやっぱりこうした方々との繋がりからでした。
(仕事は人との繋がりから生まれていった)
②営業ツールの作成
どれも基本的なところですが、私が最初に作業した営業ツールはこちらです。
・ポートフォリオサイト制作
・名刺作成
・仕事用のSNS登録
・Lancersなどの求人媒体登録
ポートフォリオ「MIHOKO SUZUKI」や名刺などは、デザインからWeb制作までの技術を学んでいたので、すべて自分で作成しています。特に、本業が忙しくなってからでは、なかなかこうした自分のPR道具の作業は進まないので、時間があるうちに諸々制作しておくことで後々便利です。
エンジニアとしてポートフォリオサイトについて言えば、自分のサイトでデザイン設計から公開、運用まで行うことで、技術の実践の場にもなりますし、後から見返して「あ、こんなコードの書き方してる」なんて自分の技術レベルを振り返ることもできます。
求人媒体については、フリーランスならではですが、とりあえず考えられるものには種をまいておく!といった意識で取り組んでおくことで、忘れた頃に芽が出てきたりします。
(自身のポートフォリオサイトは留学中に制作した)
③作業場所探し
フリーなのでどこでも作業は可能なのですが、自分のモチベーション維持のためにも自宅以外に拠点は持っておこうと、シェアオフィスを探しました。
あとは、性格的に煮詰まると場所を変えて作業をしたがるようになるので、作業ができそうなカフェや、他拠点のコワーキングなども把握して、徐々に活動拠点や活動のリズムをつくっていくようにしました。
もちろん拠点にもよりますが、コワーキングでは周りの方もいるので集中できますし、いろいろなクリエイターの方と知り合うこともできるので、個人的にはとても好きな空間です。
(コワーキングは出会いの場でもある)
④開業届・青色申告承認申請書の提出、会計システムの登録
こちらは私の場合、個人的なタイミングで、3ヶ月よりももう少し経ったところで役所に提出したのですが、一番リアルなところかと思うので、最初にやったこととして書かせていただきました。
それぞれ詳細は、役所や専門の企業などの情報を参考にしていただければと思いますが(笑)、このあたりを済ませると、自信を持って「自営業」と言える感覚が出てきますし、早め早めに終わらせておくべきかもしれません。
(お気に入りの自分用アイコン。留学中の講師からのプレゼント)
⑤ひたすら勉強(書籍・勉強会・イベント出席)
特に、実績不足な私にとっては最重要項目でした。やはり実務で得られる知識の方が格段に質は高いですが、その実務にあり付けないうちは、とにかく自分で勉強するしかありません。
まずは、なんとなく分かっているけれどまだ不安だなと思う技術についての書籍を買い込み、ひたすら勉強。
加えて、都内で行われているWeb技術についての勉強会や、フリーや会社員を問わず、IT業界で働いている人を集めたイベントなどに出席しました。一般参加可能な勉強会は専用のサイトがいくつかあるので、興味がある分野などを登録をして、開催が決まるとメールが届くようにしています。とにかく最初は時間があるので、平日開催でもガンガン参加できるんです(笑)
勉強会は、今もよく参加していますが、一人作業をしていると狭い世界に入りやすいので、こうした場で自分のレベル感やトレンドを把握していくのは大事な点だと思っています。
ましてIT業界なので、気をぬくと一瞬で置いていかれます。また、都度同じ業界の人とお会いすることになるので人脈づくりの場になりますし、こうしたところからも新たな仕事の依頼に繋がっていきました。
⑥アルバイト探し(笑)
「フリーランスじゃないの?」というご意見は重々承知で(笑)、まず何よりもお金のためでした。私の場合は、会社を退職をしてからWebの勉強のために留学をしていたので、会社員時代の貯蓄はほぼ留学費用にまわり、本当に数ヶ月生活できるかできないかくらいの資金でスタートしています。(だいぶ無謀だったと思います。)
なので、とりあえず本業が波にのるまで、アルバイトをして繋いでいこうと考えました。また、もともとWeb事業の他に、動物と人をテーマにして何かできないかと思っていたので、そういった施設やアニマルカフェなどでアルバイトで勉強できればと思い色々と調べたり、ご挨拶に伺ったりしました。
結果的に現在は動物関連ではなく、地元の外国人向けのゲストハウスでお手伝いをしています。
中途半端を避けるために今はメインの仕事はWebに絞り、時間の融通がきいて、かつ、なんだかわくわくする場所だなと感じて、選びました。今も、そこで作業をすることもありますし、全く異なる業種の仕事を合間に入れることでとても気分転換になっています。資金面でも、貴重な貴重な副収入です(笑)
こうした時間の使い方ができるのもフリーならではかもしれません。
とりあえず最初を乗り切ってみて&今継続していて。
そんなこんなで、なんとか徐々にフリーランスとして仕事ができるようになって来ました。私の場合は本当に珍しいことはなく(アルバイトくらいでしょうか?)、不安がありながら、今できる思いつくタスクをひたすらこなすのみでした。
なんとか最初の時期を乗り越え、今だから言えることは
●とりあえず批判は無視して、応援してくれる人のそばにいる
●ひたすら種をまいておく
●お金はギリギリどうにかなる
ということです。
資金面は、最低ラインから勢いだけでスタートしましたが、微々たる事前資金と副収入、そしてちょこちょこと頂く本業収入で、なんとかなっていきました(贅沢はできませんよ)。
「金はどうにかなるんだよ」と前職を退職する際にあらゆる人生の先輩方からもよく言われたので、きっとそうなんだと思います(笑)
とにかく不安だった原因は、もちろん生活面もありますが、「周りの人や社会からどう見られるか」を気にしていたからです。人と違ったレールを進もうとすると、年齢や経験で共感されないこともあります。
不安な時期は、あえてその視線から目をそらして、自分のことだけを考える、そして、応援して味方になってくれる人たちのそばにいることで、気持ちの面は時間が解決してくれたなと感じています。その裏で、やるべきことはやり、きちんと種をまいておけば、自分も成長していきますし共感してくれる人も出てきます。
これからフリーランス独立をしていこうという方へ、最初の泥臭い時期の乗り越え方ややるべきことの一つとして、参考になれば幸いです。